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法律に関する基礎的な知識について

法律とは一般的に国家や連邦国家の構成単位における議会の議決を経て制定される成文法のことですが、統治者や国家によって制定される実定法規範を意味することもあります。形式的意味での法律とは憲法や命令など他の法形式と区別される議会の議決によって作られる法のことです。それに対して実質的な意味での法律という考え方もあります。19世紀の立憲君主制国家においては君主に法を制定する権限があり、そのうち国民の自由と財産に関する権限が議会に移されました。ドイツ立憲君主制憲法や大日本帝国憲法では自由と財産に関する一般的・抽象的な法規範が実質的な意味での法であるとされます。20世紀に入り国民主権の概念が広く認められるようになると、自由と財産だけでなく一般的・抽象的な法規範を実質的な意味の法であると考える人が増えます。現在の日本国憲法における実質的意味の法とは一般的・抽象的な法規範を指します。法秩序において法律は憲法よりは下位の存在ですが行政機関の命令や裁判所の規則、地方自治体の条例よりは上位にあるとされます。

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